2022年度 No.1「<緊急発行>現地駐在員がみた上海市の封鎖管理(ロックダウン)」
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2022.4.1
要旨
- 上海市では新型コロナウイルス(主にオミクロン株)の感染再拡大を受けて、3月末より市全域を対象とした封鎖管理(ロックダウン)を開始した。
- ロックダウン開始時の上海市当局発表より、ロックダウンは、上海市を東西に分けて両地域を4日間ずつ順番に封鎖するという時限的な措置となると考えられたが、現在に至るまで広い地域で封鎖が継続しており、 全面的な封鎖解除には更に相当の時間を要すると思われる。
- ロックダウンの長期化を受けて、市民生活や事業活動への影響が拡大しており、在留邦人や日系企業も対応に苦慮している。
- 本稿では、現地駐在員が、ロックダウンの渦中に身を置く立場から、現地における生活や事業活動の実情について自らの体験談とともに説明する。
1. 封鎖管理(ロックダウン)前後の状況
ゼロコロナ政策をとる中国では、スマートフォン保有者の位置情報等を国家の身分証システムと連携させることで、国民の行動履歴や他人との接触歴を把握することにより、感染者や濃厚接触者を早期に特定し、厳格に隔離する対策が実施されてきた。 この対策は、スマートフォンアプリを通じて、国民一人ひとりに健康コードや行程コードが付与され、コードに異常が生じた場合には行動が制限されたり、隔離される仕組みである。万が一、陽性者が確認された場合には、当該者の行動履歴に基づき、 市内の地域的封鎖(居住区、事業場、商業施設等)が実施されるため、「会社が突然封鎖され、事務所で一晩を過ごした」「買い物に行った先(衣料品店)で48時間閉じ込められた」といったケースも発生した。これらの取組みを徹底することにより、 感染者の発生を低い水準に制御していた。
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