中国防災事情レビュー ～リスクサーベイから見えてくること～【中国風険消息（中国リスク関連情報）2016年 第2号】
2016.6.1
1．はじめに
当社の主要業務の1つにリスクサーベイ業務がある。主に中国における日系企業の工場や倉庫などを訪問して防災調査を行い、現状の問題点や改善策をレポートにまとめ、お客さまに報告を行っている。年間で150件超のサーベイを行っているが、業種や規模に関係なく、似たような問題指摘を行うケースが多くみられるほか、同様の事象を繰り返し指摘するようなケースも散見される。
そこで本稿では、当社のリスクサーベイを振り返り、どのような指摘がよくみられるかを整理するとともに、その背景事情を考察しつつ、中国における防災取組みの要諦について触れてみたい。
2．リスクサーベイにおける主な指摘事項
（1）サーベイレポートの構成
当社のサーベイレポートは、概ね以下のような構成となっている。サーベイの着眼点は主として、火災・爆発・自然災害などの財産リスクである。
- ①全体概況：事業場の概要、生産フローなど、サーベイ現場の概況を記載
- ②総合所見：サーベイ全般に関する全体的な所見を記載
- ③個別所見
1) 防災体制：防災推進体制の現状や、各種消防設備の設置状況などを踏まえた所見を記載
2) 現場調査：実際に現場を視察した上での気付き事項と改善策を記載 - ④まとめ
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