
2013年度 No.2 「自社派遣者の国外退避について」
2013.6.1
1. 国外への退避が求められるようなリスクとは
現在、世界に進出している日本企業の海外現地法人数は、約 2万 4000社に上ると言われています。また、進出先も、北米、欧州、中国等に留まらず、アフリカ、中東、インド、南米まで多岐に渡るようになっています。
一方で、海外では日本では考えられないようなリスクへの対応が求められることもあります。最悪の場合、進出先からの退避が必要な事態に見舞われることもあるでしょう。このように国外への退避が求められる要因としては、どのようなものが挙げられるでしょうか。下記<表 1>は、外務省から発表された過去の「危険情報 i」のうち、「退避を勧告します。渡航を延期してください。」と発出されたもの(参照:<表 2>)について、発出の要因別に件数を調べたものです ii。これに基づくと、「治安等」を要因とした発出が圧倒的に多く、次に多いのが「疾病等」となっています。よって、国外退避を想定した備えを検討される際は、「治安の急激な悪化」や、「疾病等の蔓延」を念頭におくのが妥当といえるでしょう。
2. 国外への退避が求められた事例と退避を行う際に留意すべき事項
次に、国外への退避が求められた事例として、「治安等」に関わるものと「疾病等」に関わるものを概観します。
(1) 治安等の悪化を要因として、国外への退避がなされた事例
- ①エジプトからの退避事例
- ②治安の悪化等により退避を行う際に留意すべき事項
上記エジプト騒乱の【事態の推移】を念頭に置くと、次のようなことに留意しつつ、計画的に退避行動を取ることが望まれます。
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