2022年度 No.5「トルコの地震リスク(その3)」
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2023.2.1
要旨
- トルコ最大の都市であるイスタンブールは過去より地震被害が発生しており、地震リスクが高い地域である。
- 首都アンカラはトルコの他地域と比べて地震リスクが低い地域である。
- 企業の進出の際にはトルコの地震リスクを十分に考慮することが重要である。
1. はじめに
前号では今回発生したトルコ大地震に関連して、トルコにおける主要な断層と建物耐震性の概要と課題について説明した。本号ではトルコ最大の都市であるイスタンブールとトルコの首都アンカラの地震リスクについて説明する。
2. イスタンブールの地震リスク
イスタンブールは北アナトリア断層の近くに位置し、またアフリカプレートとユーラシアプレートの境界にも近いため過去より多くの地震災害が発生している。1999年に発生したイズミット地震ではイスタンブールも被災し約1,000人が死亡している。
1)イスタンブールの地震ハザードレベル
図2はSHARE (Seismic Hazard Harmonization in Europe)により作成された地震ハザードマップであるが、これよりイスタンブール周辺は想定される地震加速度が相対的に高いことが分かる。
図3はトルコ政府が作成しているハザードマップである。5段階の地震危険度で国内をゾーニングしているが、イスタンブール周辺は最も危険度が高いエリアとなっている。
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