
2011年度 No.1 「ISO39001(道路交通安全マネジメントシステム)の動向」
2011.10.1
「世界中の道路で、毎年、年間約130万人以上が死亡し、約5,000万人が負傷している」というショッキングな書き出しで始まる国際規格(ISO39001(規格名:Road traffic safety (RTS) management systems . Requirements with guidance for use(弊社訳:道路交通安全マネジメントシステム―要求事項及び利用の手引))が現在開発中である。これは道路における交通事故死亡者、重大な負傷者の発生根絶を究極の目的とし、組織が取組むべき基本的要求事項を定めた国際規格である。
2012年11月の発行に向けて策定作業が進むISO39001の動向につき、現状の情報を取り纏め、概説する。
1. ISO39001開発の経緯
(1) ISO39001策定の流れ
本規格は、2008年6月からスウェーデンの提案によりISO専門委員会の一つであるPC241※1(Project Committee:プロジェクト委員会)において審議され、既に6回の国際会合が開催された。
現段階では、2011年7月にDIS(Draft International Standard:国際規格原案)が発行されており、2012年11月にはIS(International Standard:国際規格)発行を予定している。
(2) ISO39001の周知
本規格制定の究極の目的は、全世界から「交通事故による死亡者と重大な負傷者を根絶する」ということなので、「2020年までに、全世界で10万件の認証を目指す」という目標が、PC241の中で設定された。
ISO39001を周知する手段として以下のような施策を実行することも決議されている。
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