レポート/資料

大学での防災・減災活動 (関西大学での取組みをふまえて)【企業リスクインフォ 2013年度 No.6】

2014.2.1

1. 震災時に大学に求められること

大学における防災・減災活動は、①大学本来の事業の回復作業と②大学が果たすべき役割の遂行の2つが基本となる。前者のポイントとしては、「学生の安全を確保すること(後述2(1))」と「大学施設自体の安全を確保すること(後述2(2))」であり、後者においては、「大学が地域の防災拠点となっていること(後述3)」が挙げられる。上記の活動の基本について、講じられた対策を周知徹底するための有効な手段のひとつが、「訓練」である。そして、教職員だけではなく、学生も巻き込んで訓練することで、被災時にどのようなことをすべきか等を教職員と学生で共有することが可能となる。

本稿では、先進的な取組みを行う関西大学のコンテンツ(実施内容)を紹介しつつ、それぞれのコンテンツについて解説していきたい。

関西大学では、2007年以降毎年、学生・教職員が一体となって防災活動を行っている。同大学の行う訓練を中心として防災啓発活動は先進的な取り組みとして認識されており、他大学の関係者も多く視察に訪れている。今年度は、「関大防災Day~広がれ!みんなの安全・安心!~」として、近隣の連合自治会や行政、民間企業の協力を得て、2013年10月17日に実施している。当訓練は全キャンパスで実施し、避難訓練や炊き出し訓練に加えて、消火器使用訓練・消火栓からの放水訓練や、自治体の防災啓発ブース、民間企業等の防災関連ブースなども企画された。

2. 大学本来の事業の回復

(1) 学生の安全確保

学生の安全確保としては、「円滑な避難の実施」と「安否確認」がポイントとなる。

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