レポート/資料

介護ロボットに関する施策と今後【企業リスクインフォ(2013年8月)】

2013.8.1

はじめに

高齢化の進展による要介護者の増加や、介護職員の不足、介護者の身体的な負担など、介護・福祉分野における課題は少なからず見られる。それらの課題を解決する一つとして、介護ロボットの普及が大きく期待されている。

本稿では、介護に関する現状及び介護ロボット開発・導入に関わる施策を解説すると共に、今後介護ロボットが安全・安心に導入されていくために押さえるべきポイントについて考察する。

1. 高齢化の現状

日本人の平均寿命は83歳であり、日本は過去20年以上首位を維持している1)。65歳以上の高齢者人口は2020年を目途に一定の落ち着きが見られるが、高齢化率は少子化を反映して増加の一途をたどる推計となっている(図1)。

高齢化が進展すると、介護が必要な方(要介護者)も増えていくことが見込まれる。一方、介護する側の介護人材は2010年の133万人から、2025年には1.5倍以上の232~242万人が必要とも言われている2)。介護人材を育成するには時間もコストもかかることが想定されるため、介護職員の業務量を減らすための仕組みが求められている。

2. 介護職員の身体的負担

厚生労働省は2013年6月18日、19年ぶりに「職場における腰痛予防対策指針」の改訂を行った3)。指針の中には、「福祉・医療分野等における介護・看護作業」がトピックとして扱われており、「高齢者介護施設、(中略)等で介護・看護作業を行う場合には、重量の負荷、姿勢の固定、前屈等の不自然な姿勢で行う作業等の繰り返しにより、労働者の腰部に過重な負担が持続的に、又は反復して加わることがあり、これが腰痛の大きな要因となっている」と指摘されている。事業者に求められる対策としては、「腰痛の発生に関与する要因の把握」などがあげられているが、「福祉用具の利用」も対策の一つとしてあげられている。本指針の中では福祉用具としてスライディングボードが例示されているが、海外では介護リフト等が果たす役割は大きく、介護ロボットの開発・導入により介護職員の身体的負担が軽減されることが期待される。

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