レポート/資料

ASEAN地域と非感染性疾患【アジアリスク情報 2015年度 No.4】

2016.3.1

本号では、主に世界保健機関(WHO)のデータを中心にして、ASEAN地域における非感染性疾患の概要について説明しています。

ASEAN地域で事業を展開する企業、工場の皆様におかれては、非感染性疾患の予防取組を講じられる際は所在国政府の取組を確認すると共に、産業医とも協力のうえ対策案を立案ください。

1.非感染性疾患とは

(1) 非感染性疾患

Non-Communicable Diseases(NCDs)とは非感染性疾患と訳され、感染症以外の疾患を指します。国際的な定義は明確には定まっていませんが、【表1】に列挙されているように、主要な疾患としては心血管疾患(心筋梗塞、脳梗塞等)、がん、慢性呼吸器疾患(ぜんそく等)、糖尿病が挙げられます。

非感染性疾患には喫煙、過度な飲酒、運動不足といった生活習慣に関する危険因子(Risk Factor)や高脂血症や高血圧などの危険因子が影響しています。

WHOによればこうした非感染性疾患による疾病負荷が中低所得国で急速に高まってきており、現在は国際的な課題として認識されています。

(2) 中低所得国における非感染性疾患

非感染性疾患による死者は毎年38百万人と見積もられており、そのうち約74%を占める28百万人が中低所得国での死者であると見積もられています。(【図4】参照)

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