レポート/資料

LPガスの事故防止 <災害リスク情報 号外>

2020.8.5

【要旨】
2020年7月30日朝9時頃、福島県郡山市の飲食店で、液化石油ガス(以下、LPガス)の漏えいに起因すると考えられる大規模な爆発事故が発生し、広範囲にわたり甚大な被害を及ぼした。
過去に発生したLPガスに起因する事故例、LPガスの取扱いにおける日常のチェックポイントおよび工事の際の留意点等をまとめた。

1. 福島県郡山市飲食店で発生した爆発事故の概要

(1)事故の概要

7月30日朝9時頃、福島県郡山市の飲食店で爆発が発生した。店舗は新型コロナウイルスの影響で4月から休業し、改装工事を行っていた。前日29日に調理場のガス台をIH調理器(電磁調理器具)に交換するため、コンセントの増設工事を実施し、8月3日に営業開始の予定であった。工事関係者が29日午後8時頃に施錠して退出した際には異常に気付かなかったということである。翌朝、工事の点検に来た現場責任者が店舗に入室直後に発生したとみられている。なお、同店舗では、LPガスが使用されていた。

(2)被害状況

①人的被害

1人が死亡、19人が重軽傷を負った。

②物的被害

爆発が発生した店舗は全壊(鉄骨平屋 延床面積 約164m2、周囲は広範囲にわたり爆風圧や振動の影響を受け、事業所や学校、病院、住宅など184棟(7月31日現在)の建物の外壁や窓ガラスに損傷が発生した。爆発した店舗から約500m離れた建物の窓ガラスにも割れが発生している。

(3)発生原因

発生原因は調査中であり、詳細は不明である。なお、事故翌日の31日に福島県警と郡山消防本部による現場検証が行われ、店舗からLPガスボンベ6本が回収されている。前日夜から朝にかけて店内に多量のガスが漏れて充満し、引火して爆発した可能性があるとして・・・

ここまでお読みいただきありがとうございます。
以下のボタンをクリックしていただくとPDFにて全文をお読みいただけます(無料の会員登録が必要です)。

会員登録で レポートを全て見る