関西RMタイムズ)2021年6月号
2021.6.1
トピックス
- 複合災害を想定したBCP訓練のあり方
- コロナ禍でもご提供可能な災害リスク分野メニュー
- 運輸安全マネジメント制度の現在地
複合災害を想定した BCP 訓練のあり方
1.複合災害とは
新型コロナウイルス感染症が発生してから一年以上経過するが、その影響はとどまるところを知ら ない。そのような中、コロナ禍における大地震や風水害の発生、すなわち複合災害の発生も懸念されている。
複合災害とは、複数の事象が同時または短期間のうちに発生する災害である。コロナ禍での自然災 害発生だけでなく、大地震発生後の風水害発生や、逆に風水害被害下における大地震発生等も複合災 害に該当する。
複合災害が発生すると、単一災害での想定とは異なる被害や影響が発生するため、従来の初動対応 マニュアルやBCP(事業継続計画)がそのまま適用できない恐れがある。企業においては、複合災害 の発生を想定して現状のBCPの見直しを図るとともに、コロナ禍においても可能な限りBCP訓練を実 施しておくことが求められる。
2.BCP訓練の重要性
BCP訓練は、従来より多くの企業において実施されているが、その多くが災害対策本部メンバーが 実際に参集し、緊急時の対応について顔を合わせて議論するものと推察される。しかし、感染拡大防 止の観点から訓練参加者が一堂に会することを避けるため、従来実施していた訓練を中止・延期せざ るを得なかった企業も多いだろう。
一方で、コロナ禍においても自然災害は待ってくれない。感染症対策と並行して、訓練手法を工夫 し、BCP訓練を実施することが求められる。また、手法を工夫するのみならず、複合災害への対応策 についても、訓練において検証することが重要である。
3.コロナ禍における訓練手法
BCP訓練の実施形式としては、(1)実際に参加者が集合して実施する形式(集合型)、(2)完全リ モートで実施する形式(リモート型)、(3)それらの組合せ(複合型)が挙げられる。訓練を企画す る際は、それぞれのメリット、デメリットを把握した上で、在宅勤務の活用状況などの勤務形態も踏 まえ、形式を選択することが重要である。各形式の主なメリット、デメリットは以下の通り。

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