ニパウイルス感染症の発生状況
2026.3.25
2026年1月30日、世界保健機構(WHO)は、インド東部の西ベンガル州で致死率の高いニパウイルス感染者が2名確認されたことを公表した※1。同州での感染の確認は10年以上ぶり。また、同年2月6日にはバングラデシュ北部でも1名の感染が報告されている※2。
ニパウイルス感染者が確認された上記二ヵ国の周辺国では渡航者の検疫強化や空港での健康チェックを導入する等警戒を強めている。在インド日本大使館および在バングラデシュ日本国大使館は、現地の渡航者に対してニパウイルス感染症に関する注意喚起と情報提供を行っている。
ニパウイルス感染症は、主にオオコウモリが媒介する重篤なウイルス性の感染症であり、感染経路や症状等は以下のとおり。
| 感染経路 |
|
|---|---|
| 主な発生地域 | バングラデシュ、インド(主に南部のケララ州)、マレーシア、シンガ ポール、フィリピン ※マレーシアとシンガポールは、1999年以降、感染が確認されていな い。 |
| 潜伏期間 | 3~14日程度 |
| 致死率 | 40~75%と推定されている |
| 主な症状 | 発熱脳症状(頭痛、意識混濁等)、呼吸器症状(咳、呼吸困難等)、悪 寒、倦怠感、眠気、めまい、嘔吐、下痢等 ※重症化により脳炎が進行し死亡に至る可能性あり |
| 予防方法 |
|
出典:WHOおよび厚生労働省HPの発信情報をもとに当社作成
ニパウイルス感染症は、WHOにおいて「優先的に研究・開発すべき病原体(priority pathogen)」に指定されており、将来的に大規模流行(パンデミック)を引き起こす可能性がある病原体として認識されている。
なお、2026年2月24日時点では、ニパウイルスに関する新たな感染情報は報告されておらず、WHOは現時点において感染拡大の可能性は低いとの見解を示している。
しかし、ワクチンなどの有効な対策は十分に確立されておらず、致死率が極めて高い感染症であることから、企業としては、感染症の流行状況について継続的に最新情報を収集し、駐在員や出張者の安全確保に十分留意することが重要である。
※1)WHOが公表したニパウイルス感染情報 2026年1月30日
https://www.who.int/emergencies/disease-outbreak-news/item/2026-DON593
※2)WHOが公表したニパウイルス感染情報 2026年2月6日
https://www.who.int/emergencies/disease-outbreak-news/item/2026-DON594
【参考情報】
2026年1月29日付 世界保健機構(WHO) HP
https://www.who.int/news-room/fact-sheets/detail/nipah-virus
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