新型コロナウイルス感染症クラスター対策サーベイ
2024.4.1
コンサルティングの概要
店舗や職場の感染症対策状況を調査し、企業の新型コロナウイルス感染症クラスターリスクの低減策を具体的にお示しします。
コンサルティングの詳細
企業において新型コロナウイルス感染症に係るクラスターが発生した場合には、営業の一時停止や従業員の行動制限の可能性があります。当社では店舗や職場の感染症対策状況を調査し、企業の新型コロナウイルス感染症クラスターリスクの低減策を具体的にお示しします。
クラスター対策における3つの観点
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① 飛沫感染対策
感染防止に対するルールを明確にしていますか?
近接した場所での会話は飛沫による感染の可能性があります。具体的な感染シナリオとしては、休憩室や喫煙室のような場所での会話となります。感染シナリオのある場所において、個人間の距離を一定に保つことやマスクの適切な着用方法などをルール化し、従業員に明確に示すことが必要です。
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②接触感染対策
ハイタッチサーフェス※1(高頻度接触環境表面)を特定していますか?
ドアノブや電気スイッチ、エレベーターのボタン、テーブル、椅子の背もたれなど、頻繁に触れる箇所へ対策が必要です。これを特定したうえで、一定時間ごとの清拭や周囲への手指消毒剤の設置が必要です。特にバックオフィスの共用パソコン(キーボード)、共用タブレットが対策対象から漏れることが多く、注意が必要です。
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③空気(エアロゾル2)感染対策
十分に換気できる空間ですか?空調設備による換気量は適切ですか?
窓の開放によって十分に換気ができる空間であれば問題がありませんが、窓が開放できない部屋や地下室のような場所は機械換気となっており、在席人数に対する適切な換気量であるかを確認することが必要です。
フィルターの目詰まりや空調の設計方法によって適切な換気量が維持されていない可能性があります。
※出社可能社員数(テレワーク実施率)の目安にも活用できます。
※1ハイタッチサーフェスについて
スイッチ、ドア、ノブ、テーブルやいすなど日常的によく触る箇所。感染者が触れて感染性のある体液などが付着した場所を、別の方が触れて感染する伝播経路が接触感染となります。
※2 エアロゾルについて
“空中を浮遊するマイクロ飛沫を通して感染が広がる(airborne infection)”という意味であり換気の不十分な空間においては、部屋から排出されず感染力を保ったまま感染源となること。
伝潘経路
- 解放された場所では、くしゃみや咳から飛散するエアロゾルに含まれるウイルスは、2メ-トルに到達する間に乾燥して感染性を失うか、落下するため2メ-トル程度の距離を保てば伝播する可能性は低いと考えられている。
- 湿気のある密室では、空中に浮遊するエアロゾル中のウイルスは乾燥を免れるため、中には3時間ほども浮遊して感染力を保つこともあるといわれる。
(出典:-人類vs感染症 新型コロナウイルス 世界はどう闘っているか、國井修、CCCメディアハウス-)
感染対策のポイント
対策の視点 | クラスターリスク対策 |
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飛沫感染 | ・飛沫感染防止を目的とした従業員教育 【教育資料内容】 -クラスターリスク対策概要 -マスクの適切な装着方法 -クラスターリスク低減のための具体的な対策 など |
マイクロ飛沫 (エアロゾル)感染 |
・空気換気量の測定・空気換気量の合否判定 ・換気能力に応じた勤務方法等の検討(テレワーク体制等) ・換気能力の向上(CO2モニタ・サーキュレーターの導入) |
接触感染 | ・オペレーション毎、または作業担当者毎に業務内容を分析 ・業務において、組織間・個人間で共有しているモノの特定と高頻度接触表面(ハイタッチサーフェス)への対処 |
コロナウイルスについて
ご承知のとおり、コロナウイルスには、一般の風邪の原因となるウイルスや、「重症急性呼吸器症候群(SARS)」や2012年以降発生している「中東呼吸器症候群(MERS)」ウイルスがあり、現在流行しているのが「新型コロナウイルス(SARS-CoV2)」です。
ウイルスは自分自身で増えることができず、粘膜などの細胞に付着して入り込み増えます。健康な皮膚には入り込むことができず表面に付着するだけと言われています。表面についたウイルスは時間がたてば壊れてしまいますが、物の種類によっては24時間~72時間くらい感染する力をもつと言われています。流水と石けんでの手洗いや手指消毒用アルコールによって感染力を失わせることができます。
首相官邸HP https://www.kantei.go.jp/jp/headline/kansensho/coronavirus.html
対策の重点=クラスター対策
クラスター(集団)発生の端緒を捉え、早期に対策を講ずることで、今後の感染拡大を遅らせる効果が大といえます。
この提案での対策のポイントは以下の3つとなります。
① 空気感染対策
② 接触感染対策
③ 飛沫感染対策
それでは個別に内容をご説明します。
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① 空気感染対策
空気感染とは、感染者が飛ばした飛沫核(エアロゾル)を吸い込むことで感染することをいいます。飛沫核というのはくしゃみや咳、つばといった水分が乾燥し、病原菌だけが空中に浮遊している状態です。感染者と離れた場所にいたとしても密閉された空間にいた場合、長時間浮遊している飛沫核を吸い込むことで感染してしまうということになるのです。
飛沫核は非常に軽いため、屋外であれば風などによって巻き上げられ、吸い込むことはほぼないと言われています。密閉された屋内や空調が悪く空気が澱んでいる、換気の悪い屋内などでは微細な飛沫(エアロゾル)に含まれたウイルスが数10メートル浮遊し、感染を引き起こす可能性があります。アメリカの感染症学会の報告書では「換気の悪い室内では、地上1.5メートルの高さで感染者から放出されたウイルスを含んだ微細飛沫が、空気の循環で数十メートル先まで移動する可能性がある」と指摘されています。特に飛沫核となってしまうと長時間の浮遊が可能となるため、感染のリスクも高まるといえます。
また、飛沫核は3時間程度は感染性を有するとの報告もあるため、密室では感染のリスクが高くなるといえます。ソーシャルディスタンスにて2メートルほどの距離を取ることとしていますが、空気感染も含まれる場合、ソーシャルディスタンスとして推奨されている距離感では感染対策としては不十分であるといえます。空気感染を防ぐためには、これまで通りのマスクの着用や消毒はもちろんですが、何よりも密閉した空間を作らないことが肝心です。三密(密閉・密集・密接)を避けることに加えて、窓を開けて常に換気をする、室内の空気循環を良くする、といった空気の流れが重要であるとされています。混み合った公共交通機関などの長時間の利用を回避するなども、混雑の回避が空気感染を予防するために効果的であると考えられています。
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② 接触感染
感染者がくしゃみや咳を手で押さえた後、自らの手で周りの物に触れると感染者のウイルスが付きます。
未感染者がその部分に接触すると感染者のウイルスが未感染者の手に付着し、感染者に直接接触しなくても感染します。※感染場所の例:電車やバスのつり革、ドアノブ、エスカレーターの手すり、スイッチなど
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③ 飛沫感染
(1) 飛沫感染
感染者の飛沫(くしゃみ、咳(せき)、つば など)と一緒にウイルスが放出され、他者がそのウイルスを口や鼻から吸い込んで感染します。
※感染を注意すべき場面:屋内などで、お互いの距離が十分に確保できない状況で一定時間を過ごすとき新型コロナ感染症については、基本的な感染経路は飛沫核感染とされています。飛沫感染の場合は相手の飛沫を吸い込まなければ感染しないため、距離をあけて会話をする、咳やくしゃみをする際にはマスクをしたりハンカチを口に当てたりするいわゆる咳エチケットをしていれば飛沫は飛ばないので感染を回避できるという考え方でした。しかし飛沫核は長時間空気中を浮遊することから、密閉された空間に長時間滞在すると感染するリスクが高まります。
以上