「新たな防災」を考えるイベント『未来の防災ここから 2026』開催報告
2026.10.27
新たな防災について考えるイベント『未来の防災ここから 2026』が、福岡県で2026年9月1日の「防災の日」に開催されました。
行政や地域の企業、スタートアップなどが集まり、講演やパネルディスカッション、最新の防災技術の展示などが行われました。
いったいどのようなイベントだったのでしょうか?概要をご紹介します。
流れ
- 『未来の防災ここから 2026』とは
- 行政と企業、それぞれの視点から「備える」を考える
- 衛星×AIが変える「これからの防災」
- 最新の防災を「見て、触れて、体感」
- まとめ:「これからの防災」を考える機会に
『未来の防災ここから 2026』とは
『未来の防災ここから』は、2027年4月に合併する三井住友海上火災保険とあいおいニッセイ同和損害保険が主催したイベントです。行政、地域の企業、スタートアップなどをつなぎ「新たな防災」を考える場として開催されました。
会場となった福岡市内の大型複合ビル「ワン・フクオカ・ビルディング」には、地域の企業や自治体など60近くの団体から、あわせて100人ほどが参加しました。
はじめに、三井住友海上火災保険・福岡支店の西村務支店長が、「近年は、これまで想定していなかったような場所でも自然災害が発生しています。本イベントは、企業の防災・減災の取り組みに資する新しい技術を紹介する機会として開催しました。企業防災に活用し、実効性の高いBCP(事業継続計画)の構築につなげていただければと思います」とあいさつしました。
行政と企業、それぞれの視点から「備える」を考える
基調講演では、内閣府 政策統括官(防災担当)付 参事官(防災計画担当・船舶活用医療担当)駒田義誌氏と、福岡県総務部 防災危機管理局の後藤元局長が登壇しました。
この中で駒田氏は、2026年11月に発足する防災庁に関して、設置の背景や機能、役割を説明したうえで、BCPの重要性や事業継続力向上に向けた取り組みを紹介しました。
また後藤氏は、福岡県の地震・水害の歴史を振り返り、防災対策として「平時の備え」と「緊急時の対応」を紹介しました。
続けて、これらの行政の視点を受けて、会場のビルを管理する西日本鉄道株式会社 沿線プロパティマネジメント本部 ONE FUKUOKA BLDG.部 統括・施設管理担当の田島彰係長が、ワン・フクオカ・ビルディングの具体的な防災体制を紹介しました。
この中で田島氏は、帰宅困難者の受け入れや物資提供、組織・役割分担など、実際の施設におけるBCPを説明しました。
また、MS&ADインターリスク総研でBCPのコンサルタントを務める岡田智之も登壇し、「巨大災害時代に備えたBCP」をテーマに、過去の災害事例から企業が取るべき対策を解説しました。
講演では、BCPの策定・見直しのポイントとして、ハザードマップによる自社拠点のリスク確認、重要事業に関わる設備・インフラへの重点対策、サプライチェーン寸断への備えの重要性、自然災害時における従業員の生命・身体を守る安全配慮義務を挙げました。そのうえで、形だけのBCP策定にならないよう、なぜBCPを策定する必要があるのかという運用の目的まで踏み込んで検討することの重要性を強調しました。
衛星×AIが変える「これからの防災」
イベントでは「新たな防災」をテーマにしたパネルディスカッションも行われ、九州大学発の宇宙工学ベンチャーである株式会社QPS研究所のCEO大西俊輔氏と、宇宙航空研究開発機構JAXAから初めて出資を受けたスタートアップ、株式会社 天地人のCEO櫻庭康人氏が、衛星とAIを活用した防災の仕組みについて意見を交わしました。
この中では、衛星データを活用することで、すでに災害が起きた場所だけでなく、土砂崩れが発生する危険性が高い場所を把握できることが紹介されました。
そのうえで、今後、打ち上げられる衛星の数が増えて撮影できる頻度が高まることで、AIを活用した分析もさらに進んでいくという展望が示されました。
最新の防災を「見て、触れて、体感」
講演やパネルディスカッションと並行して、会場では防災関連の展示会も開催され、スタートアップや地域の企業を中心に10社がサービス・製品を紹介しました。
ヘルメットや防災備蓄品といった身近なものから、耐震設備、蓄電システム、AI・IoTを使った設備点検など、多様な防災技術が並んでいました。
訪れた人たちは製品やサービスを実際に見たり触れたりしながら、それぞれの企業や地域で活用できる新たな防災のあり方に触れていました。
まとめ:「これからの防災」を考える機会に
最後には、あいおいニッセイ同和損害保険・福岡支店の平瀬勝重支店長が、今回のイベントを「防災の日」に合わせて開催したことに触れたうえで、自然災害が多発する中で「平時から有事を想定して行動すること」の重要性を強調しました。
今回のイベントでは、行政や地域の企業、スタートアップなど、さまざまな立場の参加者がそれぞれの知見や技術を持ち寄りました。「備える」ことから最新技術の活用まで、地域全体で「これからの防災」について考える機会となりました。
MS&ADインターリスク総研は『未来の防災ここから 2026』に、事業継続マネジメントのレベルを診断できるサービス「BCM取組レベル診断」を展示しました。
会場では、多くの来場者から相談や診断の申し込みをいただきました。
診断を申し込まれた来場者には、その場で「BCM取組の現在地」をレポートでフィードバックさせていただきました。
これから活動を推進する“はじめの一歩”となる取組の現状を把握してみませんか?