冬季の気象災害の特徴と対策【災害リスク情報 第79号】
2017.11.1
はじめに
我が国における気象災害と言えば、夏季~秋季の台風による強風害や水害を思い浮かべる方が多いと思われる。しかし、これから迎える冬季は、雪害、強風害、雷害といった気象災害が多発するシーズンであり、台風シーズンとは異なる準備が求められる。
本稿では、日本の冬季に発生する気象災害の特徴や事例を紹介するとともに、企業が損害を防止するための対策のポイントについて述べる。
1.冬季の気象上の特徴
ポイント
- 冬季の気象上の特徴としては北西からの季節風、日本海側の降雪、低温、日本海側の冬季雷などがある。
- これらは例年発生する現象だが、冬型の気圧配置が強くなった場合には、被害の発生・拡大が懸念される。
図1のように冬季には、日本の西側にあるユーラシア大陸上のシベリア高気圧と、東側にあるアリューシャン低気圧がともに強まる。この冬型の気圧配置は「西高東低」と呼ばれ、冬季に特徴的な下記の気象状況の原因となる。
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