レポート/資料

台風による被害と企業の対策【災害リスク情報(2015年6月)】

2015.6.1

はじめに

夏から秋にかけての台風シーズンが到来する。台風による被害を軽減・防止するためには、事前の準備とともに緊急時の適切な対応が重要である。本レポートでは、台風による被害の特徴を整理するとともに、企業の台風対策を紹介する。

1. 台風について

(1) 台風とは

台風は熱帯の海上の上昇気流や積乱雲によって形成される低気圧(熱帯低気圧)であり、温かい水蒸気をエネルギー源として発達する。台風は強い風の範囲を拡大しながら北上するが、水温の低下や上空の寒気、陸地との摩擦などの影響によって徐々に衰えていく。

一般的に中心気圧が低いほど台風の勢力は強くなる。過去に甚大な被害をもたらした台風として知られる1934年室戸台風、1945年枕崎台風、1959年伊勢湾台風、1961年第二室戸台風などは、いずれも上陸時の中心気圧が極めて低い台風(910~930hPa)であった1)

台風は強風と大雨をもたらす。北半球では反時計回りに中心に向かって強い風が吹き込むため、進行方向に向かって右の半円(進行方向が北の場合の東側)では、台風自身の風と台風を移動させる周りの風が同じ方向となり風が強まる。また、日本付近に前線が停滞している場合、南の海上から流れ込む暖かく湿った空気が前線の活動を活発化させ、大雨となることがある。過去に大雨をもたらした台風の多くは、この前線の影響が加わっている。

1981~2010年の30年間の統計では、1年間で約26個の台風が発生し、約11個の台風が日本から300km以内に接近し、約3個が日本に上陸している2)。特に8月~9月に台風が襲来する可能性が高くなる(図1)。

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