雪災リスクおよびその対策【災害リスク情報 第61号】
2014.10.1
1. はじめに
2014年2月に関東甲信地方を襲った大雪が、大きな被害をもたらしたことは記憶に新しい。図1に示すように、日本の国土の約 51%が国土交通省により豪雪地帯に指定されているが、これらの豪雪地帯以外の地域においても雪に対する備えが必要である。
本レポートでは降雪シーズンに向けて、本年の気候傾向を紹介するとともに、2014年2月の関東甲信地方の大雪被害を振り返り、雪による被害を軽減するための対策を整理する。
2. 本年の寒候期予報
9月24日に気象庁より発表された本年の全国寒候期予報によると、今冬(12月から2月)の気温は、西日本と沖縄・奄美では平年並か高く、北・東日本ではほぼ平年並みと予想されている。
また、降雪量は西日本の日本海側は平年並か少なく、北・東日本の日本海側ではほぼ平年並みと予測されている。ただし、この冬にはエルニーニョ現象が発生する可能性があり、冬の天候に影響の大きい北極振動*の予想は困難で現時点では考慮されておらず不確定性があるため、常に最新の1か月予報等を確認することが推奨されている。
北極振動:北極圏とそれを取り巻く中緯度の地上気圧場が南北のシーソーのように変動し、逆相関を持つ現象。日本の天候 を左右する要因の一つとされる。
全文はPDFでご覧いただけます