レポート/資料

地震災害を想定した訓練実施の必要性【災害リスク情報 第58号】

2014.7.1

1. はじめに

東日本大震災発生から3年以上が経過した。震災以降、様々な企業と関わる中で、地震を想定した訓練を行う企業・団体等が増えつつあると強く感じる。訓練を行うことは、災害発生時に適切な行動を取れるようにする上で非常に効果的な取り組みである。図1に示した日本経済団体連合会が東日本大震災発生からおよそ半年後の2011年10月4日から11月11日にかけて実施した調査によれば、被災の程度によらず、訓練が機能したと回答する企業の割合は半数を超えた。

一方で、同調査の結果によれば、東日本大震災発生から半年後の段階においては、図2に示す通り、あまり実施されていない種類の訓練があることが浮かび上がった。

そこで本稿では、最近行われている訓練の事例について紹介する。また、訓練を行わないことで被災後に起こりうる問題、および訓練を行うことで得られる効果を説明する。これにより、多くの企業において訓練実施の必要性を再認識していただこうと思う。

2. 最近の訓練の動向

東日本大震災以降、様々な企業・団体等で地震を想定した訓練が行われるようになった。その背景には、東日本大震災の際に、適切な行動を取ることが出来なかったケースが散見されたことがある。図3に示す弊社が2011年度に実施したアンケート結果によれば、東日本大震災の際、緊急対策本部の設置など地震発生時の各種対応につき上手く行動できたか否かについて、全体的には「うまくいった」「どちらかといえばうまくいった」の回答が多かった。一方で、「帰宅困難者対応」、「安否確認」、「帰宅指示」については「どちらかといえばうまくいかなかった」、「まったくうまくいかなかった」という回答の割合も15%ほどあった。

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