レポート/資料

第51号「台風による風災リスクおよびその対策」

2013.9.1

1. はじめに

日本では、夏から秋にかけて台風のシーズンを迎える。

台風による被害は、強風による建築物の破損、大雨などによる浸水・洪水等であるが、本レポートでは、台風による風災を中心とした対策を記載する。

2. 台風

(1) 台風とは

台風とは、熱帯の海上で発生する低気圧(熱帯性低気圧)のうち、北西太平洋に存在する中心付近の最大風速が34ノット(およそ17m/s、風力8)以上のものを指す。

台風は、海水温度が高い海上で発生し、高温の海面からの水蒸気が凝結するときに放出される熱をエネルギーとして発達する。したがって、日本付近に接近するに従い、海水温の低下、上空の寒気、海面との摩擦等の影響により衰える。さらに、上陸すると水蒸気の供給がなくなり、急激に衰える。台風が衰え最大風速が34ノットを下まわると、名称が台風から温帯低気圧あるいは熱帯低気圧となる。

(2) 台風の大きさ・強さ

台風の大きさは中心から風速15m/s以上の風が吹くおそれがある距離で、強さは最大風速の大きさで表している。表1に表現方法を示す。

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