2011年上半期の風雨災害について【災害リスク情報 第40号】
2011.10.1
はじめに
豪雨・暴風災害への備えについては企業、事業所、一般家庭を問わず常に心がけておかねばならない課題である。
2011年上半期においては7月下旬の新潟・福島豪雨や8月下旬の台風12号、9月中旬の台風15号の3つの暴風雨が各地に大きな被害をもたらした。
新潟・福島豪雨では2008年の新潟・福島豪雨を上回る記録的な雨量となり、台風12号においては紀伊半島において気象庁観測史上最大雨量を計測し、それぞれ多くの土砂災害、浸水、河川氾濫が発生、多数の人命も奪われた。
さらに台風15号では中部地方を中心に被害が発生したが、とりわけ都市部での交通機関のマヒによる大量の帰宅困難者の発生という二次的な被害が顕著に現れた。
本稿では2011年前半に発生したこれら3つの暴風雨災害の内容を取りまとめ、その被害の特徴と今後の対策検討の視点について考察する。
1. 平成23年7月新潟・福島豪雨
(1) 概要
7月27日から30日の期間の雨量データ7月27日から30日にかけて、新潟県と福島期間降水量分布図(単位:ミリ)県会津を中心に大雨となった。特に28日から30日にかけては、前線が朝鮮半島から北陸地方を通って関東の東に停滞し、前線に向かって非常に湿った空気が流れ込み、大気の状態が不安定となって、新潟県と福島県会津を中心に記録的な大雨となった。
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