天津市浜海新区での大規模爆発事故について(詳報)【中国風険消息(中国関連リスク情報)2015年 第3号】
2015.9.1
[本件事故については8月19日付で第一報をご案内したが、その後、弊社にて実際に事故現場付近を訪ね、各種調査やヒアリングを行った。本レポートはその結果をとりまとめ続報としてご案内するものである。]
(第一報はこちら)
1.被害状況について
(1)人的被害状況
(2)各種インフラの復旧状況
なお、広域災害時にしばしば発生する各種ユーティリティの停止(電力・ガス・水道)は、爆発地点付近を除けば発生していない。また、輻輳による通信困難も事故直後から発生していない。よって、多くの企業で事故発生当日夜、または翌日昼頃までには関係部署や会社経営層への報告を行うことが出来ていた。
(3)環境への影響
事故発生後、爆発地点周辺の複数箇所において、大気、水質、土壌のモニタリングが当局により開始された(モニタリングポイントを大気については図4、水質については図5に示した)。最新の大気・ 水質・土壌に関する観測データは表1に示したとおりである。なお、大気については観測を開始した8月14日には爆発地点付近で基準値以上の数値が観測されていたが、その後、基準値以上の数値は当局のモニタリングポイントでは観測されていない(図2、図3)1。一方、水質に関しては8月30日時点で複数のモニタリングポイントでシアン化物が観測されており、引き続き留意が必要であろう。また、爆発地点から500m程度の場所に近づくと場所により異臭を感じることがあり、当面は立入り制限が継続されるものと思われる。爆発地点から500m~1,000m範囲内でもマスクを着用している市民は1割以下、1,000m以上の距離になるとマスクを着用している市民はほとんど見受けられないのが実態である。
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