タイにおける電気自動車用電池の火災リスク その2 (インターリスク タイ レポート)
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2023.3.28
ポイント
- リチウムイオン電池は火災や爆発を起こす可能性があります。
- 熱暴走は火災被害を拡大させます。
- 熱暴走の発端となる発熱の要因として内部短絡等があります。
1.はじめに
前号では電気自動車用電池(EVBについてリチウムイオン電池が主流であること、また電気自動車(EVの火災は電池に起因するものが多く、充電中の出火、自然発火、時間をおいて再燃するなどの特徴があることを説明しました。本号ではリチウムイオン電池の火災リスクについてご案内します。
2.リチウムイオン電池の火災リスク
リチウムイオン電池は高エネルギー密度を持ち、小型で軽量であるため、電気自動車やスマートフォン、ノートパソコンなどの携帯用デバイスに広く使用されています。しかしながらリチウムイオン電池はストレスがかかると火災や爆発を引き起こす可能性があることが知られています。リチウムイオン電池が火災を起こす原因はいくつかあります。例えば、過充電や過放電、異常な温度や振動などによって内部で化学反応が起こり、その結果、電池内部で熱が発生し火災に至ることがあります。また電池内部の異常な構造や不良品質なども火災の原因となることがあります。
こうしたリスクを軽減するためにEVメーカー、EVBメーカーはバッテリーの設計と製造において多くの取組みを行い安全性と信頼性を確保しています。たとえば、バッテリーパックは衝撃吸収材料で覆われています。またリチウムイオン電池には保護回路が搭載されています。保護回路 は過充電や過放電、過電流、異常温度などを検知することで電池の安全性を確保します。
電池式電気自動車(BEVの火災リスクに関する報告は多くなく、単位台数当たりの火災事故件数はハイブリッド式電気自動車( HEV)、ガソリン車との比較で最も少ないと言われています。
しかし、リチウムイオン電池の火災リスクを完全になくすことは難しいと言えます 。特に、不適切な使用や取り扱い、保護回路の故障などがある場合には、火災が発生する可能性があります。そのためリチウムイオン電池を使用する際には、正しい取り扱い方法や安全対策を守ることが重要です。
以下ではリチウムイオン電池の火災被害を拡大させる熱暴走について…
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