
第64号「マンションの漏水・破損事故対策」
2015.5.1
1. はじめに
昭和30年頃から普及したマンションは、都市部を中心に増加し、今や累計約600万戸建設され、約1,480万人の方が居住していると推測されている(平成25年国土交通省資料)。マンションは、快適性・利便性・防火や防犯面の安全性を備えた住居として大きな資産価値を有しており、一生の住まいとして、ますますその重要性が高まっている。
一方で多数の居住者の集合住宅であるマンションは、違法駐車やペット飼育のような居住者の行為・マナーや雨漏り・水漏れ等の建物の不具合等に起因する様々なトラブルが発生しやすいとも言える。
マンションは、「建物の区分所有等に関する法律」(区分所有法)に基づき、居住者により管理組合を設立し、組合は居住者に代わって様々な管理業務を行うことになっているが、管理組合や管理組合から業務を受託した管理会社に寄せられる様々なトラブルは膨大な件数に上るようである。
弊社では、それらのトラブルのうち漏水や建物の破損事故防止のコンサルティングの依頼を受ける機会が増えてきている。
破損や漏水の損害額は少額なものから、大きなものは数百万円までさまざまであるが、たとえ少額であっても、件数が多ければ修理費などが累積して、管理組合の収支を圧迫するとともに、居住者同士のトラブルにつながるおそれがある。
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