電動キックボード利用者の8人に1人は交通ルールを知らない?アンケート調査から見える実態とは
[このコラムを書いた研究員]

- 会社名
- MS&ADインターリスク総研株式会社
- 部署名
- 基礎研究部
- 執筆者名
- 主席研究員 新納 康介 Kousuke Niiro
2026.6.1
2023年の道路交通法改正により、電動キックボードは「特定小型原動機付自転車」として新たに区分されました。その手軽さから、電動キックボードのシェアリングサービスは急速に拡大しています。シェアリングサービスのアプリダウンロード数は500万件を超え、稼働中の電動キックボードの台数は2万台以上にのぼります。
一方で、電動キックボードによる交通違反の検挙数は年間4万件を超えており、さまざまな課題も浮き彫りになっています。「便利さの裏に潜むリスク」――その実態を明らかにするため、MS&ADインターリスク総研は2026年1月に電動キックボードのシェアリングサービス利用経験者500人を対象にアンケート調査を実施しました。本稿では、その結果の一部を紹介します。
流れ
- 電動キックボード利用者の「交通ルール理解度」はどの程度か
- 性別・年代別で異なる電動キックボードに関する交通ルールの理解度
- シェアリングサービス登録時のテストをどのようにして合格したか
- 「他人・ネット頼み」でテスト合格したシェアリングサービス利用者
- まとめ
電動キックボード利用者の「交通ルール理解度」はどの程度か
本調査では回答者に電動キックボードに関する交通ルールの理解度について聞きました。その結果、「詳しく知っている」と「主なものについて知っている」の合計は87.8%となりました(図表1)。
一方で、「よく知らない」と「ほとんど知らない」の合計は12.2%となりました。これは、シェアリングサービス利用者の大半が電動キックボードに関する交通ルールを理解しているとしたものの、約8人に1人は、ルールを十分に理解せずに利用している可能性を示唆しています。利用者に対する交通ルールの周知をいかに徹底できるかが、引き続きの課題だと考えられます。
【図表1】あなたの現在の電動キックボードに関する交通ルールの理解度についてお知らせください(n=500)


性別・年代別で異なる電動キックボードに関する交通ルールの理解度
図表2は、図表1の電動キックボードに関する交通ルールを「よく知らない」と「ほとんど知らない」の回答データの合計を、性別年代別に表したものです。ここでは、電動キックボードに関する交通ルールを「知らない」と考えている回答者の割合は、各年代において女性が比較的高いことがわかります。
【図表2】電動キックボードに関する交通ルール「よく知らない」あるいは「ほとんど知らない」(性別年代別)


シェアリングサービス登録時のテストをどのようにして合格したか
電動キックボードのシェアリングサービスに登録するには、交通ルールのテストに合格しなければなりません。本調査では回答者にこのテストをどのようにして合格したかを聞いています(図表3)。その結果、「自分で考えて回答した」と「事前に勉強して自分で回答した」の合計は81.4%でした。
その一方で、「交通ルールをよく知っている人に聞きながら回答した」「インターネット上の回答例を見ながら回答した」という、自らの知見や事前の学習ではなく、いわば他力を利用して合格した回答者の割合は11.6%です。
【図表3】シェアリングサービス登録時のテスト(道路交通法テスト)はどのようにして回答しましたか(n=500)


「他人・ネット頼み」でテスト合格したシェアリングサービス利用者
図表4は、図表3の「よく知っている人に聞きながら回答した」と「回答例を見ながら回答した」のデータの合計を、性別年代別に表したものです。いわゆる他力・ネットを頼りに合格した回答者の割合は、各年代において女性の方が多いことがうかがえます。この結果によれば、20代と50代女性のシェアリングサービス利用者の約5人に1人はこの方法でテストに合格したことになります。
【図表4】「よく知っている人に聞きながら」もしくは「インターネット上の回答例を見ながら」回答した (性別年代別)


まとめ
本調査では、回答者の87.8%が主な交通ルールを把握している一方で、12.2%は十分に理解しておらず、登録テストでは11.6%が他者や回答例に頼って合格していることが分かりました。さらに、交通ルールの理解に不安がある回答者は、女性の割合が高い傾向が見られました。
電動キックボードによる交通違反防止には、シェアリングサービス利用者への交通ルールの周知徹底が必要だという共通認識があります。本稿が、その一助となれば幸いです。
【参考文献】
警察庁(2025)『パーソナルモビリティ安全利用官民協議会第12回資料3』
警察庁(2025)『事務局説明資料 第13回パーソナルモビリティ安全利用官民協議会』
警察庁(2026)『事務局説明資料 第14回パーソナルモビリティ安全利用官民協議会』
警察庁『特定小型原動機付自転車に関する主な交通ルールについて』
日本マイクロモビリティ協会(2025)『日本マイクロモビリティ協会安全対策について』
電動キックボードユーザーの意識と運転の実態 ~アンケート調査結果より(2026年版)
https://rm-navi.com/search/item/2443
電動キックボードの法改正から2年、交通違反や事故の現状は?
https://rm-navi.com/search/item/2306